ゲストハウスにも必要?サイトコントローラーとは?
サイトコントローラーって何? という素朴な疑問をお持ちの方に向けてこの投稿で説明します。ちなみに『サイトコントローラー』とは和製英語で、海外ではChannel Managerと呼びます。
「サイト」とは、宿泊予約サイトのこと、コントローラーとはコントロールするシステムのことです。宿泊予約サイトは、以下の投稿のとおりたくさんあります。
では、何をコントロールするのかといいますと、主に在庫と料金です。
在庫とは?
靴や服を買物に行ったとき、自分のサイズに合うものがなかったら
「在庫あります?」
ってききますよね。在庫ってそんな言葉のイメージだと思いますが、宿泊業界においては、
在庫とは、『販売する部屋の数、またはドミトリーのベッド数」
のことを指します。
料金とは?
これは、そのままの意味で販売する部屋やドミトリーのベッドの販売料金のことです。ただ、先の例で挙げたような洋服や靴なら販売価格ってそんなに頻繁に変わらないですよね。もちろん季節によってセールをしたりするので販売価格は可変するでしょうが、値上がることはまずないでしょう。
でも、宿泊業界は、航空料金と同じく、料金が頻繁に変わります。これをダイナミック・プライシング(Dynamic Pricing)といいます。
ダイナミック・プライシング(Dynamic Pricing)とは、商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略。 「動的価格設定」「変動料金制」「価格変動制」ともいう。Wikipediaより
観光業界や宿泊業界は、人々の休暇に多分に影響をうけ、需要があがります。夏休み、シルバーウィーク、冬休み、春休み、ゴールデンウィークなど多くの人が休暇をとる期間は繁忙期です。また、土曜日や祝日前の休前日も需要が高まります。
洋服や靴であれば、その日に売れなくても後日に売れる可能性がありますが、その日売れ残った部屋は、その日に売れないとその日の売上にはなりません。つまり、売れ残ってしまうのなら、安くしてでも売り切ってしまわなければいけません。供給過多の状態ですね。
さらに、同じ商圏の競合他社との比較も価格に影響します。宿泊予約サイトやメタサーチサイト(トラベルコ、トリバゴなど)で、価格が比較表示されるので、宿泊施設は互いに価格競争せざるを得ないのです。利用者はより評価が高くて安く販売している施設(コストパフォーマンスが高い)を探していますので、マーケット価格に合わない料金でほったらかしにしていると売れないは必然です。
このように需要と供給に応じて、ダイナミックに価格を変動する、せざるを得ないマーケットなのです。
宿泊予約サイトが1つや2つならまだしももう3つ以上のサイトの在庫と料金を頻繁に変更することは、大変な労力なのです。販売する在庫の数を間違えてしまうと絶対に避けなくてはならない ダブルブッキング を引き起こしてしまうので、確実に在庫数をあわせる というプレッシャーを負うことにもなります。。
サイトコントローラーは、労務コストを下げ、予約を管理するスタッフの精神衛生上のメリットをもたらすのです。
加えて、、、
予約を一元管理できる
複数の予約サイトから入った予約者のデータ(予約日、チェックイン日、予約者情報、宿泊プランなど)を一元で管理できます。サイトコントローラーを使わなければ、各宿泊予約サイトの管理画面でしか予約者のデータを見ることができません。そしてなにより、いくつもの管理画面に逐一ログインすることは非常に手間です。
データの分析
各予約サイトごとの販売実績、リードタイム、部屋タイプ別の販売動向などデータとしてみることでマーケティングすることもできます。
どんなサイトコントローラーがあるのか?
ねっぱん!
当初、楽天トラベルに在庫提供している場合は、初期費用や月額利用料が一切無料であったが、現在は有料化している。
手間いらず
簡単に操作が可能で使い勝手を第一に考えたインターフェースとなっている。
海外宿泊予約サイトも多数連携しているので、世界規模でのインバウンド集客に向いている。
Bed24
ダイナミックプライシング、チャットボット、自動チェックイン、Stripeとの連携によるカード決済でノーショー対策などのAI機能を駆使した効率的な運営が可能。
Cloudbeds
TLリンカーン
※その他にも『らく通with』や『ルームマネージャー』というサイトコントローラーがある。
ゲストハウスに最適なサイトコントローラーはどれか?
各々のサイトコントローラーに特徴があるので、一概には言えないですが、検討するポイントは以下です。
- 部屋数、ベッド数によって利用料金が異なるので、運営するゲストハウスの部屋数とベッド数を想定し月額利用料を見積もる
- サイトコントローラーが接続できる予約サイトが適切であるか
- 運営に携わるスタッフはほぼ毎日利用することになるので、ユーザビリティーとインターフェイスも大事
- サイトコントローラーの利用料とスタッフの労務コストとのバランスが大事
- PMS(予約管理システム)や自社予約エンジンとの親和性があるか。サイトコントローラーだけでなく、PMSと自社予約エンジンも含めたパッケージで検討するべき
PMS(予約管理システム)とは?
実は、宿泊施設を運営する上で、もっともコアな問題と言ってよいのが、『予約管理システム』です。
宿泊予約サイトからたくさん予約が入ることは喜ばしいことですが、日々めくるめく予約が入る(キャンセルや人数変更、日程変更もある)ようになると、その予約を適切に(ダブルブッキングを防ぐためには決して間違えないように注意しなければなりません)管理しなければならないのです。
つまり、
予約管理システム(業界用語でPMS Property Management Systemという)があり、サイトコントローラーがあり、予約サイトが多数あるわけです。そしてさらには、自社のホームページからの集客を得るためには、自社の予約サイトシステム(自社予約エンジンという)までを含めて、オールインワンで検討しなければならないのです。
先に挙げたサイトコントローラーの中で、PMS機能を有しているものは、Beds24とCloudbedsです。他のサイトコントローラーは他社のPMSと連動させることになります。
ついでに・・・。メタサーチとは?
さらに、話しをややこしくして恐縮ですが、先の宿泊予約サイトを一括で比較できるサイト(メタサーチ)というものがあります。数多ある予約サイトを一つずつ比較することは利用者にとって面倒なので、このように一括比較サイトを利用するニーズがあるのです。
各宿泊予約サイト上で販売されている売値を比較しやすいつくりになっているだけでなく、口コミ(レビュー)や観光地の旅情報なども読むことができます。
・トラベルコ:https://www.tour.ne.jp/
・トリップアドバイザー:https://www.tripadvisor.jp/
・トリバゴ:https://www.trivago.jp/
・フォートラベル:https://4travel.jp/